ご入院中の、あの高須先生が発信されている文章の中に、「私の主治医は私ですから…云々」というのがありました。読者がこれを見て、「そんなセリフ、言ってみたい」と反応したそうです。確かにドクターならではですね。でも、せめて気持ちの上では、「自分の主治医は自分」でありたいし、皆様にも、そういうお気持ちでいて頂きたい、というのが、私の持論です。
まあ、命に関わるような急性の病気とか怪我の場合、それどころではないでしょう。でも、慢性的な経過を辿る病状の場合は、必ず何がしかの原因があるはずです。生活習慣だったり、取り巻く環境の変化や、食べ物、化学物質だったり、思わぬところに盲点となる原因が潜んでいるものです。
忙しい毎日を過ごしていると、時間に流されて、あっという間に月日が経っていきます。この猛暑に、汗をかくのも、身体が何とかして体温調節をしようと働いてくれているわけです。不調が起きたのは、自分がどこかで身体の声を聴かずにいたことの表れと考えて、気持ちの上で、先ずは一旦立ち止まってみることが必要です。(医療機関を受診しないという意味ではありません)
自分の「病」は何としても自分で治す、自分の人生を他人に丸投げしない、という気概を持ち、調べられることは調べる。治療者にどんどん質問をぶつけ、納得のいく方法を求める。ベースにこの気持ちがあるのとないのとでは、結果にも違いが出てくることでしょう。現に、クライアントさんで、こうした行動の結果、人生が変わった方が複数いらっしゃいます。
人間の生活を、ちょっと引いて、長いスパンで考えてみるのもありです。先日もラジオで、千葉大名誉教授の宮崎良文先生が「700万年前から人間が生きてきて、環境だけが激変してしまった。人体はそこまでの変化に追いつけない」という意味のことを仰っていました。森林浴の効果を科学的に検証していらっしゃる先生ですが、まったく同感です。
本来、人体には、「良くなろう」「治ろう」という働きがあります。その身体と声なき「対話」を重ねて最善の方法を探る。時に常識を疑う。「自分の主治医」でいることは「自分」をしっかり生きることにほかならないと思うのです。