6月のうちから、この暑さ。身体がついていきません。自律神経も、さぞかし混乱しているでしょう。近所までの買い物にも、帽子、日傘、サングラス、保冷剤を包んだバンダナが手放せません。半袖やノースリーブより、むしろ麻の長袖の方が涼しく、皮膚も守られます。昔は麻の服というと高価なイメージでしたが、最近はお手頃なものも結構出ています。傍から見たらかなり「怪しいおばさん」ですが、もはや、身を守るためにそんなことは言っていられません。
パン屋さんの帰りに、ほんの数分、足を延ばして、古くからあるお寺に寄り道してみます。時は令和なのに、そこだけが、ぽっかりと江戸時代のままのような場所があり、そういうところでは、たいてい、大きな木が迎えてくれます。近寄ると、ある地点から、ふっ、と、空気が変わる。この感覚、以前、友人と江の島の「島」の中の水琴窟だかの近くでも感じました。彼女も同じように思ったそうです。
そういう場所を、自分の足で歩いて、見つけてみるのが、ささやかな楽しみです。都内に住んでいた頃は、よく、地図上で「緑色のところ」を探しては行ってみたものです。緑色の所はたいてい緑地とか公園です。東高根森林公園とか、大和市の泉の森、横浜市の寺家ふるさと村、新治市民の森なども、その方法で見つけて歩きに行きました。
植物は元気をくれます。誰も何もしていないのに、小さな桜らしき木や、楓、欅が芽吹いているのを見ると、その生命力に驚かされます。表通りは街路樹が伐られて殺伐とした景色になってしまいましたが、ちょっと裏の路地に入ると、まだ、ホッと一息つける場所があります。こういう場所は大事にしてほしいものです。
木と土のあるところ。更に、綺麗な水もあるところなら言うことないですが…。そういう、「自分より長く生きてきているような木」を探して、歩いてみて下さい。意外なところで、昔からの木々が、人の暮らしを見ています。
「命ある私達」を癒してくれるのもまた「命ある木々」なのですね。