2025年が始まりました。新年のご挨拶を申し上げます。
昨年末から、思うところがあり、有吉佐和子さんの「複合汚染」を読み返しています。中学生の頃に一度読み、触発され、部活で学校近くの川で水質調査の真似事などしていました。今考えると、本当にろくな知識もなく、殆ど子供の遊び程度で、恥ずかしい限りです。
あらゆる化学物質で環境が汚染され、それが人体や様々な生態系に悪影響をもたらす。その現実を、作家として、1人の女性として、300冊以上の本を調べ、各分野の専門家を訪ね歩いて取材した作品です。その労力だけでも、驚嘆させられます。昭和49年から50年にかけて書かれたものですが、古さなど微塵もなく、今、この状況の世の中で読むと、更に迫ってくるものがあります。作者は53年という短い生涯でしたが、きっと、とても密度の濃い時間を過ごされたのでしょう。
「本物のしば漬け」の話、「胃潰瘍の豚」!、「ご隠居さんとの掛け合い」…ところどころに、有吉さん一流のユーモアも覗きます。
50年前に、これだけ世の中に警鐘を鳴らした方がいるのに、今という時代は一体何なのか。便利にはなったけれど、その分、失ったものも多いと感じます。そして、この生活が当たり前だと、慣れてしまうことが怖いです。
翻って、現実を考えてみると、この仕事でも、感染予防のため、鍼を使い捨てにしています。鍼を刺すときに使う、プラスチックの鍼管(極端に言えばマカロニみたいな管です)も、殆ど使うことなくゴミになってしまうので、いつも、どうにかならないかな、と思っています。一度、鍼のメーカーさんに聞いたこともありますが、滅菌して再利用というのも難しいようです。
せめて、極力ゴミが出なそうな品を購入したいと思います。去年から、あるカタログで見つけて、先だけ換えられる歯ブラシにしています。生ごみの水切り袋も、ヤシの繊維からできた、土に還るものがあります。些細なことでも、大勢の人が試したら、結構な量のゴミが減らせるのでは?と思います。
世の中には、エコと称して、実は全然エコじゃない、いずれ大量の不燃ゴミになるような物もあります。
子供の頃は、林檎は、籾殻をクッションとして送られてきました。掘り出す時に手がチクチクして、ちょっと痛痒いのですが、籾殻は茗荷の霜よけに地面に敷いたり、堆肥になったりしました。そうやって、うまく使い回せるものがいいですね。そんなわけで、暮れに買うお正月飾りも、土に還るもので手作りしました。慌しい中での、結構楽しい時間でした。
木や土を触っていると、気持ちが穏やかになるのを感じます。昨今の環境では、アーシングにもなりそうです。
出版社の回し者でも何でもないですが、「複合汚染」、まだお読みでない方には、是非一度目を通して頂きたい作品です。特に、これから子育てをする方には、必読の書だと思います。
京都の本物のしば漬け屋さんのように、嘘のない仕事をしていきたいと思っています。
本年もよろしくお願い致します。