蚊も驚いて引っ込む程の暑さです。皆様、お身体は大丈夫でしょうか。
さて、そんなさなかの「熱い話」を一つ。土曜のお昼、ラジオを聴いていたら、「吾輩は猫である」の朗読の後に、「国語辞典サーフィン」の時間。これが面白いのです。15分が、あっという間。
ひとつのある言葉を、いろいろな国語辞典で調べてみて、その解説の違いに、笑ったり、ほぉ~、となったりする。編者の違いで、国語辞典って、こうも違うのかと。これを考察しようという番組です。
先日の「お題」は「燃えるごみ」の言い方と、「恋」についての解説。「皆さん、燃えるゴミのことを、何と言いますか?」から始まるのです。「燃えるごみ」「燃やすごみ」「可燃ごみ」と来る。「可燃」は小さいお子さんが読めない。「燃える」と「燃やす」の違いは?…自動詞と他動詞。自らその状態になるか、他者が関わるのか…おお!来ましたよ!分析が。すると、「燃える」というと、ゴミ自体が自然発火してしまいそうな…話が物騒な方向に向かいます。どこぞの自治体では「燃やすしかないごみ」と表現する所もあるのだとか。江戸時代の如く、服一着でも、継ぎはぎして、修理して、違う目的にも使い倒して、最後の最後に「燃やすしかない」となったものだけを出しましょう、的なニュアンスが感じられて、発案者のセンスを感じます。
同様に「恋」だか「恋愛」?(料理していて聞きそびれた)というワードの解説。どこかの辞典によると、説明の最後に、「青年期によくある感情だが、老年期にもみられる」と書いてあるのだそうで、飲んでいたアイスティを吹きそうになりました。これを書かれた「先生」に、お会いしてみたいですね。
番組をなさっているサンキュータツオさん、国語学者にしてお笑い芸人という、凄い方です。だいたい、芸人さんとか、落語家というのは、頭脳明晰な方でないとできません。なんでも、お持ちの国語辞典は200冊以上だそうです。自宅用、治療院用、家族用、その3冊、全て同じものを購入してしまった自分を叱りたい。サンキュー氏の仰る通り、「国語辞典は読み物」なんです。いろいろ比べたら、まあ面白い。書いた人の個性が出ます。
ごみも恋も燃やすと熱い。この2つを並列にしてくるところがニクいです。
百人一首の作者に、その熱さをお灸にたとえた方もいましたっけ。殺人的猛暑の昼下がり、敢えてあっついお茶で、梅干しでもどうぞ。