鍼灸はまだまだ宝の山

先日、友人からメールが来ました。
曰く、テレビで東洋医学特集の番組をやっていたと。

秋田のドクターが、「雲門」という肺のルートのツボに鍼をして呼吸状態を改善させたり、アメリカのドクターは、敗血症のマウスの「足三里」に鍼をして、回復を早めることに成功したとの由。

この4年、コロナ禍やら引越しやら、いろいろ追われて目まぐるしい日々でしたが、こういう情報を聞くと、思わず初心に返ります。とにかく鍼灸は面白いからです。ものもらいを治すのに、手の人差し指の関節の脇にお灸するといいなんて、昔の人はどうやって気づいたのだろうか、等々、不思議なことだらけ。これがまた、本当に効くのです。帰り道には変化が起きる、そんな感じです。私自身経験があります。

それにしても、マウスの「足三里」ってどこなのか?人間と同じで、膝のちょっと下の外側?いやいや、そもそも、マウスの膝関節、って?ネズミの脚、しげしげと見たことないし…。あんな細い小さな脚に鍼を打つ?人に打つより余程難しそう、等々、夜、この話を聞いて、オバサンはあれこれ考えてしまい、目が冴えてしまったことです。中国研修の時に、やっぱり馬のツボ人形買って来るべきだったか?と、学生時代を思い出してしまいました。

ちなみに、人間だと頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」というツボは、四つ足の動物では、背中の真ん中あたりの上部になるようです。集めていた資料では、2008年の週刊誌の別冊に、鍼灸を動物に使う獣医さんの話が出ていました。今はかなり増えているようです。

足三里は、「奥の細道」の松尾芭蕉もお灸をしていたことで知られています。江戸時代の人々の間では、旅をするのに、このツボにお灸を習慣的にすえていない人とは一緒に出掛けるな、という話があったようです。体調管理がなっていないから、道中でトラブルに見舞われやすい、ということでしょう。歩いて箱根越えをしたこの時代を思えば、今の時代は本当に運動不足ですね。

今は、当時には無かったものが沢山沢山世の中にあり過ぎて、そういういろいろなもので体調を崩している方も多いです。でも、昔々の鍼灸が、今の私達にも効くということは、まだまだ解明されていない「お宝」が埋もれているということでしょう。

一生かかっても、到底極められませんが、私なりに、ああだこうだと、ツボの組み合わせを考えるのも楽しいことです。

学生時代と違い、この20年で、驚くほどデジタル化が進みました。ふだん殆ど使わないツボの漢字は、正直、忘れているものも一つや二つではありません。当用漢字にないような、難しい字も多いです。でも、それぞれに意味があるので、もう一度勉強しなおしです。自分で何度も手書きをしないと、到底覚えられません。認知症の予防に漢字の書き取りといきましょう。

25歳で、鍼灸を一生のライフワークにしようと思った時の気持ちを、友人が甦らせてくれたことです。

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